子どもが宿題をやらなくなるその前に!やる気を起こさせ未提出を防ぐ指導

「宿題をしてこない子にはどう指導したらよいのだろう?」このような疑問を抱いている教師は多いと思います。しかし、宿題を提出しない子に対して指導するというのでは多くの場合手遅れです。学級が崩壊してから立て直すのにはかなりの労力が必要になるのと同じように、宿題を出さなくなった子に対して出すように指導するのは非常に困難なことなのです。

つまり宿題を提出しない子に対して効果的な指導をするためには、子どもが宿題をしてこない状況を生み出さないための対策を行うことが先決になってきます。

 

 

宿題を出さない子がいる状態を作らないために

では、宿題の未提出を防ぐためにはどのような指導を行えばいいのでしょうか?子どもが宿題をしてこなくなる前に意識して取り組んでもらいたいポイントを以下にまとめました。

事前の計画と指導を細やかに

宿題を出さない子がいる状態を作らないために、まず下記の3点に取り組んでほしいと思います。

  • 宿題の内容や量を吟味する
  • 宿題のやり方を教える
  • 教師の覚悟を伝える

当たり前のことですが、宿題を出すということは子どもにはその宿題に取り組ませ、教師自身はそれらの宿題を全て管理する必要があるということです。そのため、深く考えずに宿題を出しているとだんだん指導や丸付けが手に負えなくなってきます。私も以前は学校の方針で多くの宿題を出していましたが、宿題のチェックがなおざりになっていたので子どもに申し訳なく思っていました。宿題を出すのであれば全ての子どもが毎日その宿題をやり遂げられるか・教師自身が宿題に目を通すことができるかという視点から計画し、宿題の内容や量はよく吟味するべきです。

また、宿題を出すだけであとは子どもに丸投げするというのも良くありません。宿題を出す際はその目的を説明し、やり方を細かく丁寧に教えるところまで責任を持つ必要があります。反対にいえば、丁寧に説明することで子どもは宿題の取り組み方について具体的に理解することが出来るためモチベーションが高まります。

宿題を子どもに課すのであれば、これだけ考えてここまで説明したんだから宿題を出さないというのは無しだ!と思えるくらい、または子どもに言えるくらい用意周到に。その覚悟は子どもにも伝わります。「もしかしたら出さない子がいるかもしれない。」と教師自身が思っていたら、必ずそのような子が現れてしまいます。

前担任からの事前情報があり宿題をサボり気味の子がいるということが分かっているときは、より最初の指導が重要になってきます。1度未提出を許してしまうとズルズル出さなくなってしまう可能性があるので特に注意が必要です。まずここまでの過程をしっかりと行うことで、宿題に対する子どもたちの意識を高い部分まで上げておくことが重要です。

宿題のやり方をどのように教えればいいかについてはこちらの記事に書いているので参考にしてください。

宿題をしてこない子がいる!教師はどう対応すべき?

 

 

宿題をサボりにくい雰囲気を作る

人間なのでどの子も怠け心は持っていますが、真面目な子や保護者の目が行き届いている家庭の子どもは教師が何も言わなくても宿題を出します。しかし、不真面目だったり親の目をかいくぐったりする、または親が放任気味な家庭の子どもはそのうち宿題を出さなくなってきます。学級にそのような子がいた場合、宿題のやり方を教えたり教師の覚悟を伝えたりしたとしても時間が経てば宿題を提出しなくなる可能性は十分にあります。先述の通り、そのような子に対しては宿題を出さなくなってから指導しても間に合いません。それよりもその子が宿題を出さなくなる前に、サボりにくくする雰囲気を醸成していくことが大切になります。

そして宿題をサボりにくい雰囲気を醸成するために最も重要なのは、『褒めること』です。宿題をしてこないで叱られたとしても、子どもは「頑張って宿題をやってこよう」とはあまり思いません。特にこれまで宿題をせずに叱られ続けてきた子は叱られること自体に慣れてしまっているので、注意されるくらいでは心が動かないないのです。そんな子にも効果がある方法が褒めることになります。ただし、宿題をやってくるのは当たり前なのでその子個人を褒めるのはあまり良くありません。それよりも、学級全体を褒めた方が効果があります。宿題をしてきているうちに「みんな宿題を頑張っていて素晴らしい。」というプラスのメッセージを全員の子どもに伝えることが大切です。

 

× 提出しない子を責める 「なんでやってこないんだ!」「他の〇年生はみんなやっているよ?」

〇 全員が提出したときに褒める 「君たちは頑張ることができる素晴らしい子どもたち!」

 

新学期のうちは子どもたちもやる気があるので全員分の宿題が揃うこともあるはずです。あえて最初のうちは宿題を少なめにしておくというのも1つの手でしょう。全員分の宿題が揃った時は、すかさず全体の前で学級を褒めてください。その際、「このクラスは全員宿題を出す優秀なクラス」という雰囲気を作りあげることを意識してください。恥ずかしがらず、全力で褒めて教師が本気で喜んでいることを伝えるのが大切です。

褒め方のポイントはこちらの記事で紹介しています。

子どもが嫌がる褒め方と自信を持つ褒め方の違い

 

 

定期的に宿題の取り組み方を評価する

学級の全員が宿題をやってくるクラスという雰囲気を作ることが出来たら、あとはいかにその雰囲気を維持していくかです。何も対策せずにいると、やはり徐々に宿題忘れが出始めるので定期的に子どもたちの宿題提出状況を評価してやることが重要になってきます。

  • 宿題を熱心にやっている子の取り組み方を褒める。
  • 宿題の取り組み方を自己評価させる。

上記以外にも、宿題の取り組み方を評価する方法は色々とあります。たとえば全員が宿題を出した日をカウントし、一定の日数に達したら宿題を無しにする・楽しいイベントをするなど目標を作るのもいいと思います。なるべくマイナスでは無くプラスの形で宿題の提出を意識させ、前向きに取り組めるようにするのがポイントです。

 

 

宿題の提出に捉われ過ぎないことも大切

宿題はあくまで児童生徒本人に責任があるものです。教師があれこれ口を出したところで自発的に取り組む姿勢が育たなければ家庭学習の習慣が定着したとは言えません。周囲の教師や管理職は色々と言うかもしれませんが、宿題の提出にあまりこだわり過ぎないというのも大事なことです。

学級にいる子どもの半数が提出しないなどの状況であれば教師であるあなたにも責任があるかもしれませんが、2~3人であればどの学級にもそういう子はいます。誰かに迷惑をかけているわけではありませんし、子どもの特性や家庭環境は様々です。完璧を求めると子どもも教師も疲れてしまうのでお互いの逃げ道を用意しておくことは大切です。教師としてやれるだけのことをやった後は、思うようにならない部分があっても仕方がないと割り切りましょう。