宿題をしてこない子がいたら教師が学校でやらせるべき?

子どもが宿題をやってこないというのは多くの教師が抱える悩みです。宿題をしてくるかどうかは教師の力量よりも家庭環境の影響が大きいので、たとえベテラン教師の学級であっても宿題をしてこない子はいます。もしも宿題をしてこない子がいたら、教師として学校で宿題をやらせるべきなのでしょうか。

 

つきっきりで見てやる必要は無い

子どもが宿題をしてこなかったとき学校でさせるという教師は多いと思います。しかし、子どもだけに任せているとついつい友達とおしゃべりしたり遊び始めたりして終わらないことも多く、その日中に仕上げさせるためには教師が見張っていなければなりません。そうなると、教師は宿題をしてこなかった子どものために毎日休み時間や放課後の時間を削ることになるのです。

ですが、本当に教師がここまでしてやる必要があるのでしょうか。私は正直、つきっきりで見てやる必要はないと思います。なぜなら毎日のようにしてこない子の宿題を完璧に仕上げさせるためには、教師がずっとその子についていなければならないからです。しかし教師の手が必要なのはその子だけではありません。勉強についていけない子に個別指導をしたり、休み時間の様子を観察したり教師は学級の児童生徒1人1人にまんべんなく手をかけてあげるべきです。

 

宿題を提出させることにこだわり過ぎてはいけない

そもそも宿題における教師の仕事は、課題を出すことと提出された宿題をチェックすることであって子どもに宿題をさせることではありません。宿題をするのは子どもの責任で、させるのは教師では無く親の責任です。なぜなら、子どもが宿題をしなかったことで学力が下がったり習慣が身につかなかったりしたとき、その責任は子どもとその親に降りかかることになるからです。学力が低ければ将来の選択肢は狭められ、その結果不利益を被るのは子どもと保護者なのです。

最近は不況の影響もあって共働きの家庭が増え、子どもにかける時間と余裕のない保護者が多いです。そのため宿題をしてこない子どもも増えています。教師はただでさえ多忙をきわめているのに、学力が厳しい子の個別指導だけでなく宿題をしてこない子にまで対応していると休息を取る暇などありません。そのうえ学力向上のために多くの宿題を出すことを求められ、休み時間や放課後の時間は丸付けに追われます。全員の子どもに宿題を完璧にさせようとすると、督促と丸付けだけで教師は疲弊してしまうのです。

 

教師としての責任を果たす方を優先する

教師の責任は、子どもの学力向上と人格の完成に寄与することです。そのためには良質な授業や指導をするべきです。宿題に関して言うなら子どもが興味をって取り組めるような宿題を考えたり、下位の子でも自力で取り組めるようなプリントを作ったり、じっくり宿題をチェックして子どもの状況を把握したりすることであって、決して宿題の督促に労力を注ぐことではありません。宿題の督促に疲れ果てて授業を考えたり子どもに余裕を持って指導したりすることがおろそかになっているとしたらその方が問題です。

宿題をしてこない状態を放置してしまうと監督責任を問われるので、宿題をしてこない子に対しても適切な声かけや対処など最低限の指導は行うべきだと思います。しかし、それでもしてこない子に教師がつきっきりで見る必要はありません。ケースにもよりますが基本的には必要ないでしょう。それよりも、その時間は学級全員の子どものためになることに費やした方がいいです。そのためには教師がゆっくりと休息することも大切だということを忘れないでください。

 

 

休み時間は子どもの権利

まず大前提として、休み時間は子どもの権利です。義務を果たさないのに権利なんて・・・と思われるかもしれませんが、権利というのは全ての人間に平等に与えられるものであり、義務を果たしている人にだけ与えられる性質のものではありません。つまり宿題をしてきたかどうかということに関わらず、休み時間は子どもの権利として平等に与えられるべきであり、休み時間に宿題をさせるという指導は子どもの権利を奪うことにつながってしまいます。前の日にちゃんと終わらせてきてくれれば何も問題ないんですけどね(笑)

 

子どもの将来が心配・・・

権利を奪わないために休み時間を与えるべきと言いましたが、子どもの将来を考えると実際はそうも言っていられませんよね。毎日の宿題を全くしてこないとなると、他の子どもたちとの差はどんどん開いていってしまいます。保護者が注意しているにも関わらずその子自身が宿題を怠けているとしたら仕方ない部分もありますが、放任気味な家庭環境で育ったことにより宿題をやっていないとすると救ってやれるのは学校だけです。

 

 

状況に応じた指導をする

宿題をしてこないという1つの問題についても、子どもの家庭環境や性格に応じて指導は変えていくべきです。

 

これまできちんと提出していた子

家庭環境に問題がなくこれまで毎日宿題を出していた子というのは、もともと頑張る力を持っています。そのような子が何の理由もなく怠けて宿題を出さなくなったときは、身についていた習慣を取り戻させるためにきっちり仕上げさせた方がいいです。そこで甘くしてしまうと怠け癖がついてしまう可能性があります。もともと真面目な子であれば早めに指導することで正しい方向へと戻してやることが出来ますし、早い段階で指導を入れた方が教師の負担も軽くて済みます。提出しない期間が長引けば長引くほど更生は難しくなるということを頭に入れておいてください。

 

ほとんど宿題をしてこない子

反対に、すでに怠け癖がついてしまっている子の場合はたまに見逃してあげるくらいがちょうどいいです。なぜなら、教師がいくら注意したり手をかけてあげたりしても保護者やその子自身に変わる意志がなければ問題が解決されることはないからです。いくら学校でやらせて提出させたとしても、教師がいなくなった瞬間にその子は宿題が提出できなくなってしまいます。

また、ほとんど宿題をしてこない子は毎日のように学校で休み時間や放課後に宿題をやらされる羽目になります。勉強に遊ぶ時間を奪われてしまうことで、ストレスが溜まったり勉強嫌いになったりしてしまうかもしれません。最悪の場合は不登校になってしまう可能性もあります。完全に放置してしまうと他の子どもに示しがつかないので、提出しないことは許されないという態度を貫きながら上手い具合に見逃してやるというのがベターです。

 

 

宿題をしてきた子を褒める

宿題をするというのは当たり前のことでどうしても提出しない子に目が行きがちですが、きちんと宿題を出している子を褒めることは意外と重要です。宿題をやってくることの大切さを伝えたり熱心にやってきている子を褒めたりすることで、真面目に提出している子の意欲を高めるだけでなく宿題未提出の予防にもつながります。