子どもが嫌がる褒め方と自信を持つ褒め方の違い

子どもを褒めてあげたのに嫌な顔をされた、たいした反応が無かった。そんな経験ありませんか?せっかく褒めたのに思ったような反応がないと、褒めた自分が恥ずかしくなってきますよね。そんなことばかりが続き、子どもを褒めることが大事と分かっていながらも何となく気が進まないという先生がいらっしゃるかもしれません。

「子どもを褒めるのは良いことです。どんどん褒めてあげましょう。」研修会ではそう言われますが、「褒める教育なんて本当に意味あるの?」と疑問に思われている方もいるでしょう。子どもに喜びを与え、自信を持たせるためにはどのような褒め方をすれば良いのでしょうか?

 

効果的に褒めるためのポイント

子どもの良さを見つけ、褒めることが出来たとしても子どもが喜んでやる気になるとは限りません。なぜなら褒め方が上手くないと、子どもは「先生は自分の機嫌を取ろうとして褒めている。」と感じるからです。下手な褒め方をして子どもにその本心を見抜かれると、褒めなかったときより関係が悪くなってしまう可能性もあります。ポイントをおさえて褒め上手な先生を目指しましょう!

 

本心から褒める

教師が子どもを褒めるとき、子どもは先生が本当に思って言っているかということを鋭く観察しています。そしてもしそれが本心でなかった場合、敏感な子は気が付いてしまうのです。本心でないことに気付かなかったとしても、教師が本気でそう思って言っているかどうかによって子どもの感じ方は大きく変わってきます。

心の底から本気で「すごい!」と思っている人の褒め方と、「すごくはないけど褒めておこう」程度に思っている人の褒め方は、声の大きさや言葉のチョイス、表情などが全く違ってくるため客観的に見てみるとその差は歴然としています。中途半端な褒め方をすると、子どもは「先生は思ってもいないのに褒めている。」と見抜きます。そうなってしまうと、教師の褒め言葉は効力を持ちません。

ただ何となく褒めるだけなら、褒めない方がいいです。褒めるのであれば、まずあなたが子どもの頑張りを心の底から認めてあげることが大切です。

 

その場で褒める

子どもが自分から進んであいさつをしたとします。「おとといの朝は自分からあいさつをして偉かったね。」のように後から褒めるのと、子どもが挨拶をした直後にその場で褒めるのとでは、子どもの受け取り方が変わってきます。前にしたことを時間が経ってから褒めたとしても、子どもはあまり嬉しいという気持ちが実感できません。前のことを突然言われて、一瞬「先生は何のことを言ってるんだろう?」と首をかしげる子が多いです。

教師の「すごい。」と思う気持ちが最も子どもに伝わるのは、子どもが良いことをしたその瞬間です。子どもは無意識のうちに行動していることも多く時間がたってしまうと自分のしたことを忘れてしまいがちなので、子どもが望ましい行動をしたときはその場ですぐ褒めるよう心掛けてください。褒めたい内容が小さなことであればあるほど、時間がたつと教師の気持ちは伝わりにくくなってしまいます。

 

 

人前で褒める

子どもを褒めるとき、その場で褒めるだけでなく人前で褒めることも非常に有効です。先生から褒められるということは、子どもにとって誇り高いことです。子どもたちの前、保護者の前などたくさんの人の前で褒められれば、自信にもつながります。

人前で子どもを褒めることには、本人に自信を持たせるということ以外にもメリットがあります。例えば子どもたちの前で褒めれば、学級全体に望ましいことへのイメージを浸透させることが出来ます。学級全体の前で、「○○さんは、すみずみまで丁寧に掃除しています。さらにそれを毎日続けているのが偉いと先生は思いました。」このように褒めれば、すみずみまで掃除をすること、そしてそれを毎日続けるのは良いことという価値が学級内に生まれます。そうすれば、他の子もそれを真似し始めるようになるのです。

また、保護者の前で子どもを褒めれば「先生は子どもの良さを見てくれる。」というイメージを保護者に与えることも出来ます。そのような印象が広がっていくと、より保護者からの協力を得やすくなって仕事もやりやすくなっていきます。保護者の前で子どもを褒める機会というのは、教師から作らなければなかなか生まれるものではありません。たまたま保護者に会ったときでも悪くはないですが、電話をかける・学級通信に載せるなど行動を起こすことで早いうちに伝えるのがベストです。

 

全力で褒める

出来ているようで意外と出来ていないのがコレ。子どもを褒めるときに大切なのは、言葉以上にリアクションです。普段と同じ表情、テンションで褒められても子どもはあまり嬉しく感じません。子どもを褒めるときは、オーバーだと思うくらいのリアクションで褒めてください。

「そんなに表情やテンションが大事かな?」と思われる先生は、叱る場面を想像してみてください。子どもを叱るときに、笑顔の先生はいませんよね。どう考えても叱る場面に笑顔はふさわしくないと分かっているので表情をコントロールするはずです。笑顔は極端だとしても、なるべく厳しい表情で真剣な雰囲気になるように気を付ける先生がほとんどだと思います。厳しさや真剣さを表現できればその分、教師の思いが子どもに伝わりやすくなります。

褒めることと叱ることは正反対ですが、教師の感情を見せるという点では同じです。教師が心の底から「すごい!」と思っていることを子どもに伝えるためには、感情を分かりやすく表現することが大切です。最初は抵抗があるかもしれませんが、教師が恥ずかしがっているとそれが子どもにも伝わってしまうので振り切ってやってしまった方が案外上手くいくものです。褒められる立場になってみるとオーバーリアクションで褒められた方が素直に喜べます。褒められた子どもが照れてしまうくらい、思いっきりのリアクションで褒めることに挑戦してみてください。

 

ポイントをマスターして褒め上手な先生に!

褒め方のポイントは、本心から・その場で・具体的に・人前で・全力で、の5つ。どれも、子どもの頑張りを心から認めていないと出来ないものばかりです。全体を通して見てみると、子どもが嫌うのは「中途半端」な褒め方ということが見えてきます。褒められるのが嫌なわけではなくて、「中途半端」な褒め方だと褒められているように感じられないということです。(中には本当に褒められるのが苦手な子もいるので配慮が必要です。)また、子どもが心から「褒められることをしたのだ。」と思えるかどうかも重要です。

このことからも分かるように、ここに挙げた5つのポイントはどれも非常に重要です。これらの中には私が実践して学んだものだけでなくこれまでに出会ったプロ教師の方々から直伝していただいたものも含まれていますが、プロ教師はこれらを全て自然体でやってのけます。見ていて気持ちがいい褒めっぷりです。そしてそんな先生方を見る子どもの目は本当に輝いています。全てをマスターして子どもを褒めることが出来たら、きっとこれまでとは違う反応が返ってくるはずです。褒め上手な先生になるためには、練習あるのみ!褒め方を体得できるまでくり返し実践しましょう。