子どもに嫌われる教師の特徴

子どもに「嫌いな先生はどんな先生?」と尋ねたことのある先生はいらっしゃるでしょうか。これは、かなり勇気がいる質問です。もしもその答えに自分と重なる部分があったとしたら、かなり落ち込みますよね。ですが、子どもと良好な関係を築き維持していくためには子どもたちが教師に対してどのような願いを抱いているか知っておくべきです。どんな性格であったら、またはどんなことをすると子どもたちに嫌われてしまうのでしょうか。子どもたちにアンケートを取ってみると、このような答えが返ってきます。

 

子どもが嫌う教師とは

暗い

暗く、元気がない教師は子どもたちに嫌われます。学級をイメージしてもらえれば分かると思いますが、人気がある子どもというのはだいたい元気で活発なタイプですよね。それは教師であっても同じです。子どもは暗い教師よりも明るい教師の方を好みます。

よく、「教師はいつも笑顔で!」と言われます。また、人気教師の姿を想像してください」と言われれば、若くて元気でいつも快活な教師をイメージされる方が多いのではないでしょうか。ですがそうなると、子どもに嫌われないためには面白くもないのに笑ったり、いつもニコニコしたりしていなくてはいけないのか・・・と、なんだか重たーい気持ちになられてしまうかもしれません。しかし、暗い教師が嫌われるからといって、いつも笑顔でニコニコしていなければならない、というわけではないのです。

私の尊敬するある先生は、「教師はいつも笑顔でなければならないと言われるけど、無理に笑顔でいる必要はないと思う。」と言われていました。その先生の学級は、非常に落ち着いている和気あいあいとしたクラスです。その先生の普段の様子を見ていても、言葉通りいつも笑顔というわけではありません。ですが、見ていて分かるほどに子どもたちは先生のことが大好きでした。

暗い先生が嫌われるからといって、子どもの前で無理に笑顔を作ったりテンションを上げたりする必要はありません。自分を偽ってそういうことをしていると、子どもは見抜きます。無理に上げたテンションは見ていて違和感があり、不自然に感じるものです。

落ち着いている・物静かというのと、暗いというのでは意味が違います。子どもたちが嫌う暗さというのは、陰気臭くじめじめしていて一緒にいるとこちらまで気分が下がってしまうような性格のことです。大事なのは無理して笑顔を維持し続けることではなく、普段は多少険しい表情をしていたとしても楽しい場面や面白い場面では一緒に笑ったり、子どもと話すときに時折笑顔を見せたりすることです。いつでも笑顔でいられるのは素晴らしいことですが、心の根っこが明るければ無理に繕わなくても子どもから暗いと嫌われることはありません。つまり簡単に言えば、子どもが教師に求めている明るさというのはポジティブシンキングであることです。いつもネガティブに考えがちだという先生は、責任を感じ過ぎず前向きに捉えていく思考にチェンジしてほしいと思います。ポジティブに物事を捉えられるようになれば、子どもに好かれるだけでなく普段から前向きになれます。「自分のために」変わることが難しい場合には、「子どもたちのために」と思うことでより取り組みやすくなりますよ。

 

しつこい

子どもが嫌うしつこい先生というのは、細かいことや失敗ばかりをネチネチと言い続ける先生のことです。このタイプは丁寧な指導を意識されている先生に多いかもしれません。「しつこいなんて言われたって、何度も言わなきゃ分からないし、出来るようにならないから・・・」と思われるかもしれませんが、しつこい指導は逆効果の場合もあります。

分かりやすく例えるなら、しつこい指導というのは口うるさいお母さんのイメージです。家に帰って来たとたん、出来ていないことばかりを「あれもダメ、これもダメ」とまくし立てる。「○○ちゃん、靴がそろってないよ!服も脱ぎっぱなしで!宿題はしたの?あれだけ言っているのにどうして出来ないの?そういえばこの間も・・・。」お母さんは子どものためを思って一生懸命になっているのですが、子どもはもう聞きたくありません。

同じように、何かやる度あなたの仕事にネチネチとケチをつけてくるだけの上司(管理職)がいたとします。「先生の板書は読みにくい。」「もっと朝早く来てください。最近たるんでますよ。」「昨日の先生の全体指導は分かりにくかったです。」このようにあなたの問題点だけばかりを指摘してくる上司と四六時中一緒にいることを想像してみてください。「わくわくする!頑張れそう!」と思えるでしょうか?きっと、心が憂鬱になるはずです。たとえその上司があなたのことを思って注意してくれていることが分かっていたとしても、「もっと違う見方は出来ないの?」と感じてしまいますよね。

子どもたちも、細かいことや失敗ばかりをネチネチと言い続ける教師のもとではやる気を失います。出来ていないことが気になってしまう気持ちはよく分かりますが、そればかりだと子どもは「先生がうるさいから仕方なくやる。」という姿勢になってしまいます。こんな気持ちで取り組ませるばかりでは教育とは言えません。くり返し伝えるにしても、長時間説教をするのではなく短時間に、キッパリサッパリした物言いで伝えた方が子どもたちの気は引き締まります。

 

ひいきをする

これは、ほとんどの子どもが嫌う教師の特徴です。子どもたちの多くは学級内に平等な人間関係があることを望んでいます。しかし、子どもは人間性が未熟なため学級では上下関係が生まれやすくなっています。教師がある一定の気に入った子どもだけを特別扱いするという行為は、学級内の上下関係の確立を加速させてしまうことにつながりかねません。そして学級内に上下関係が生まれてしまうと、子どもだけの力でそれを解消することは困難です。なので、教師はすべての子どもに対して常に平等であることを心がけておく必要があります。

しかし、時にはひいきだと思われてもそれを貫かねばならない場面もあります。それは、特別な配慮を要する子どもがいた場合です。ハンディキャップを持っている子どもに対しては、他の子ども達と露骨に違う対応をしなければならいときが多々あるでしょう。一番良いのは子どもたちに上手く説明して納得してもらうことですが、家庭の考えや方針によってはそれが出来ない場合もあります。その場合は少しやっかいになりますがどうにか理解が生まれるよう働きかけていくしかありません。

また、教師というよりは1人の人間として無意識にひいきが生まれてしまうこともあります。教師も人なので、いつも自分に迷惑をかけるばかりの子どもと、いつも手助けしようとしてくれる子どもに対して対応が変わってくるのはしょうがない部分もあります。また、自分と重なる部分が多い子どもや同情するところがある子どもに対してはついつい特別扱いしてしまうこともあるかもしれません。ふり返ってみると、私も学生時代あの先生には好かれいる、あの先生には嫌われているだろうと感じることがありました。教師を経験するまではそれがあまり良いことではないと思っていましたが、今ではそれが“出会い”だと思うようになってきました。色々な先生方と関わる中で人間関係を学ぶことが出来たと思うので、自然な感情に無理に逆らうことはしなくていいのかなと思います。社会に出れば、人間性によって同僚や上司からの評価や扱いが変わることは当然で、皆が平等に扱われるということはありません。そのことを学習できるという意味でも、自然な感覚に従いながら子どもと関わるということは大切な部分もあるはずです。しかし、扱いが違うとそれを子どもや保護者から指摘される可能性は十分にあります。少しでも対応が変わるのであれば、その根拠を説明できるようにしておいた方が賢明です。

ただし、あまりにも露骨なひいきだけは絶対にしてはいけません。例えば、同じことをしているにも関わらず一方だけを厳しく叱り、もう一方は笑って許す。ここまで行ってしまうとそれはただの差別です。他の子どもが見ていない場面での特別扱いは目を伏せられることもありますが、学級で決めたルールやきまりといった教育指導に関わる部分については特別扱いすることなく意識して平等にしていく必要があります。教師のそのような姿勢を子どもは鋭く見ています。クラスの全員が気付いてしまうようなひいきは避けるべきです。

 

嫌味を言う

子どもは素直な顔をしてズケズケと物を言います。オブラートに包むということを知らないので、相手の気持ちを考えずストレートに表現してしまうのです。そんなふうなので自分が同じように言われても気にしないのだろうと思いきや、意外とガラスのハートで教師から言われた言葉にひどく傷つく子もいます。特に子どもにとって教師の言葉は特別な意味を持っているので、教師から否定されるというのは子どもにとってかなりショックなことです。

指導の一貫として子どもの行為を否定しなければならない場合もありますが、それと嫌味とは違います。悪いことをしたときにスパッと叱ることは叱られる子どもにとっても大切なことです。しかし、子どものしたことを遠回しに嫌みったらしく言う行為はすがすがしいものではありません。悪いことだと伝えたいのであれば潔く叱るか、ただの嫌味であれば言う必要はありません。

また、1人の子どもに対してだけではなく全体の前での発言にも注意が必要です。教師の発言というのは力を持っているので、ある特定の子のことを否定するようなことを全体の場で言うとその子の立場が無くなってしまうこともあります。教師にとっては些細なことでも子どもにとっては重要な問題であることもあります。子どもが気にしていることを平気で口にすると信頼されなくなります。見た目や持ち物、性格といったデリケートな問題に関してのマイナス発言は避けた方がいいです。

 

言うことが変わる

教師の言うことがその場の気分でコロコロ変わると子どもは困り、混乱します。たとえばいつも「時間がかかってもいいから字は丁寧に書きましょう。」と言っていた先生から、突然「書くのが遅い!もっと速く!」と言われたとします。子どもは先生の言うことを守ってゆっくり綺麗に書いていたのにそれを否定されると「どっちが正しいの?」と困ってしまうのです。

このようなことが何回も続くと、子どもは教師の言うことを素直に受け入れなくなります。「先生は自分の都合で物を言っているから聞きたくない。」と思うようになるのです。何をやっても注意されるため恐怖心を覚える子もいるかもしれません。指導に一貫性が無くその場の気分で物を言う教師に子どもはついてきません。これを防ぐには、日頃から子どもに出す要求に意識を向けておくことです。あまりに指示や要求が多すぎると自分でも把握しきれなくなるため、矛盾が生じてしまいます。それだけでなく教師の要求に応える子どもも大変です。指示や要求を出すときは数や内容をよく吟味し、徹底させたいことは最低限にしておくことで矛盾を無くし指導を浸透させることが出来ます。また、日頃から気をつけてほしいことなのか今の時間だけ努力してほしいことなのかを明確にして説明することも効果的です。

 

教師に関係なく嫌われやすい人

子どもが嫌う教師の特徴を挙げてみましたが、こうして見ると教師に限らず嫌われやすい人の特徴のような気がします。管理職や同僚にもこのような人がいたらあまり好きにはなれませんよね。子どもがこんな教師を嫌うのも納得です。ですが、中には子どもに対してついついやってしまっている(言ってしまっている)こともあるのではないかと思います。全てをすぐに改善するのは難しいですが、1日1項目気を付けてやってみるだけでも子どもとの関係は良くなるはずです。焦らず少しずつ取り組んでみてください。