通知表所見の目的や意味は?課題やマイナス点などは書いてもいい?

通知表所見の目的と意味

なぜ教師は通知表を作成し、所見を書くのでしょうか。目的がはっきりしなければ所見の書き方も見えてきません。所見の書き方を考える前に、まずはその意味や目的について考えてみましょう。

 

子どもの指導状況を保護者に伝える

通知表を作成することには次のような目的があると私は考えています。

  • 子どもの学習や生活の様子を保護者に伝える
  • 子ども自身に今学期の成果と課題を知らせる

文部科学省のHPには、通知表について“保護者に対して子どもの学習指導の状況を連絡し、家庭の理解や協力を求める目的で作成”と表記されています。つまり通知表は保護者に向けて作成されるのが前提ということです。そのため文章は大人向けに書く必要があります。しかし、通知表は保護者だけでなく子どもも読むためその内容はもちろん子どもにも伝わります。保護者と子どもが通知表を広げて一緒に話し合う家庭もあるでしょう。そのため、保護者に向けて作りながらも相手意識としては子どものことも頭に入れておく必要があるのです。

 

 

自分なりの意味を持たせていい

そもそも、通知表は必ず作成しなければならないものではありません。授業での指導に関しては学習指導要領で目標や内容が細かく定められていますが、通知表は校長の裁量で様式や内容等が決められるので法的根拠はなく、学校によっては通知表を出さないところもあります。通知表は指導内容に比べると、国や法的な意味では意外と重要度がそこまで高くないのです。

何が言いたいかというと、形式にこだわりすぎる必要はないということです。それよりも、通知表で保護者や子どもに何を伝えるのか、子どもを育む1つの手段として通知表をどのように活用していくかということの方が大切であり、自分なりのねらいを持って作成していくことが重要です。

 

 

来学期への意欲を高める

どのような意図を持って取り組むかは教師の自由ですが、通知表作成の際は冒頭でも伝えたように子どもの感情を少なからず考慮しなければなりません。偽りのない評価をして保護者に真実を伝えることも大切ではありますが、内容にショックを受けて子どものやる気を奪ってしまっては意味がありません。学校生活とのつながりを意識し、子どもが通知表を受け取った時に「次はもっと頑張ろう。」と思えるような内容にしていく必要があります。そのためには、一年間を見据えて慎重に評価することが重要です。

そのやり方として、最初は辛口につけて徐々に評価を上げる・2学期に1度落として3学期に上げる・1、C、△など低い評価は上限数を決めておくなど工夫の仕方は様々です。

 

 

所見を書く目的

記号でも評価できるのに、なぜ所見を書く必要があるのでしょうか。学習や生活の評価欄と違い、1人1人に向けた評価を文章で書くのはなかなか大変な作業なので、出来ることなら無くしてほしいものですよね。しかし、文章であることこそ所見欄が存在する理由だと私は思っています。

もし所見が無くなってしまったら、A・B・Cや◎・〇・△など記号だけで子どもを評価することになります。所見を無くしてほしいという先生も多く一概に悪いとは言えませんが、やはり保護者や子どもにとって記号だけでは教師の人間性や想いが見えずどうしても機械的に感じられてしまうものです。所見を書くのは大変ですが、数字や記号では伝わらない子どもの成長や教師の想いを伝えることには大きな意味があります。学期毎に全員の保護者と面談できるわけではないので、所見は子どもの様子や教師の気持ちを伝えられる大切な機会です。

 

 

 

課題などマイナス点を書いていい?

通知表は教師にとってはたくさん作るものであっても、その子にとってはたった1つの一生残る記録です。そして来学期の意欲の問題もあります。可能な限り頑張りを認め、褒めるに越したことはありません。何か褒められそうなことが1つでもあるならば課題よりもそちらを優先すべきです。

しかし、1学期間を通してその子を見たとき、どう考えても努力が足りておらず褒められるような生活態度ではなかったということは多々あります。そういう場合、所見の内容をどうしようか悩みますよね。どうすればよいのでしょうか。

 

改善に向けて十分指導したか

まずは、教師である自分の指導を見直してみてください。子どもに課題があり学期間を通して改善されなかったとき、その責任は教師にもあります。課題を認識していながらほとんど指導していなかったという場合、子どもの意識が低かったとは言い切れません。なぜならきちんと指導していれば改善されたかもしれないからです。この場合、所見に書くのは控えた方がいいです。

学期間を通して様々な場面で何度も子どもに指導し、それでも改善されず子ども自身も課題であると認識している場合は、書いても構わないと思います。子どもも通知表の内容は重く受け止めるので、ある意味教師の覚悟を伝えることにもなります。

 

 

表現の仕方に気を付ける

改善点を書く場合、あまりはっきり書きすぎるとどうしても角が立ってしまいます。“課題”“努力”などの言葉を使うとイメージが良くありません。かといって、評価が低い項目があるときそこに何も触れないのは不自然ですし、上に書いたような状況のときは、改善点を伝えることも必要になってきます。そこで“課題”や“努力”をオブラートに包んで表現できるのが期待という言葉です。「来学期は~する姿を期待します。」というような形に言いかえれば、改善点をプラスイメージで伝えることが出来ます。