通知表の所見が書けない!スムーズな書き出しや書き方のポイントとコツ

学期末に教師を困らせる通知表所見。書き方が分からなくて書けない、全員分がなかなか書き終わらないという経験は誰にでもあるはずです。

 

所見の書き方~例文と書き出しのコツ~

所見に何を書けばいいのか?また書き方や書き出しで迷う先生は多いと思います。私は比較的文章を書くのが得意なので、勤務校の中では仕上がりが早く修正も少ない方でした。最初は時間がかかりましたが、コツをつかみ慣れてくればそれほど手間取ることはありません。この先では所見の書き方や書くときのコツなどを紹介していきます。

 

所見の内容

これは基本中の基本ですが、所見ではその学期の子どもの様子を総合的に評価したいので、内容は学習と生活の両方について書くことが望ましいです。学習面は授業での態度・発言・行動といった様子について、生活面は給食・掃除・係活動・委員会活動・行事の様子について書きます。

 

道徳や学活は所見に書いていい?

学習面において、書く機会が少ないのが道徳です。道徳は子どもの心情や実践する態度を育てる教科であり評価が難しい部分があります。また生活面に近い教科でもあるので、出来れば他の教科で書いた方がいいです。学活も生活面と重なる部分がありますが、道徳と比べて評価がしやすいので光る姿があれば所見に書いてOKです。私も何度か書いた経験があります。

 

 

所見の文章構成と例文

所見は、内容ごとに事実と評価で構成するのが基本です。

・事実とは具体的なエピソードのこと

・そのエピソードに対する教師の価値づけが評価

となります。1つの内容についてだいたい1~2文程度で書きます。以下の例文を参考にしてください。

 

〇例文〇

学習

  • 授業では、どの教科においても真剣に話を聞き、積極的に発表する姿が立派でした。
  • 社会の学習では、自分の考えを持ち、友達の前ではきはきと発言している姿が素晴らしかったです。
  • 理科「○○〇(単元名)」の学習では、授業での学びに自分の考えを加えてノート作りをすることが出来ました。

 

生活

  • 係活動では、「遊び係」としてみんなが楽しめる遊びを友達と協力して考え、学級を盛り上げていました。
  • 図書委員として、休み時間も貸し出しの仕事に休まず取り組む責任感のある働きぶりは、誰もが認めていました。
  • 毎日好き嫌いせず給食を食べきることを目標に掲げ、見事達成したことは今学期最大の成長といえます。

 

 

私の場合、学習の所見は大きく分けて「授業(全体)」「教科」「単元」の3種類で書き分けていました。それぞれ上に例として紹介しています。教科や単元に関わらずどの授業においても評価できる姿があった場合は「授業」、その姿が限定される場合は、「教科」や「単元」を具体的に挙げて書くようにしていました。

その他には、宿題の取り組み方や字の丁寧さ(書写)などについて書くこともありました。内容や文の長さによってメインとして書くこともあれば学習の内容に付け足したときもあります。

 

 

書き出しは何をかく?

私がこれまで所見を書く際、書き出しをどう書くかで迷ったことはありません。上にある文章構成と例文を読んでもらえれば分かると思いますが、学習面であればほとんどの場合教科名と単元名を合わせたものからスタートしますし、生活面であれば係や委員の名前から始まることが多いです。書き出しで迷ってしまうのは、おそらく書く内容が具体的に決まっていないからだと思います。何を書くか決まる前から書き始めるのは誰でも難しいです。

書き出しで迷うという人は、所見を書き始める前に、それぞれの子どもに対して何について書くのか、そしてどう評価するのかについて先に決めることをおすすめします。書く内容を決めるために有効な方法は下の方で紹介していますので参考にしてください。

 

それでも迷うというときは…

所見の書きぶりを迷っているときは、文例集を参考にするのがおすすめです。私が勤めていた学校では職員室の本棚に所見文例集が置いてありました。学校に無い場合はネット上にも文例があるのでそちらを参考にしてもいいと思います。しかし、可能であれば書店などで本を購入するのがおすすめです。今はネットでも購入できるので、買いに行く時間がないという先生も手軽に調達できますよ。

 

 

 

所見を書くときのポイント

 

全員に対して平等に書く

教育において「平等」であることは鉄則ですが、これは所見にも当てはまります。子どもによって成長の程度が異なるため内容に差があるのは仕方ありませんが、文章量に差があってはいけません。自分は短くちょろっとしか書かれていないのに他の子が長々と書かれていたら子どもはショックを受けます。保護者もいい気はしません。仲が良い子同士でこっそり見せ合う可能性が無いとは言い切れないので気をつけてください。

文字数は学校によって差があるかもしれませんが、あまり短すぎると味気なく、長すぎると読みづらくなるので100~150文字程度が丁度いいと思います。私はExcelを使用していましたが、行数が同じかどうかで調整していました。

 

 

成績データと照らし合わせる

評価には、多かれ少なかれ教師の主観が入ります。それは仕方のないことです。学校での子どもたちの様子を1番近くで見ているのは担任なので、直感を信じることは大切です。しかし、直感に頼り過ぎてしまうのはいけません。なぜなら主観には様々な要素が入り込んでおり、正しく評価できていないこともあるからです。

一般的に、小学校では市販のテストを購入し、付属のCD-ROMで成績を管理している先生が多いと思います。私は評価のミスを無くすために、評定をつけたり所見を書いたりする際は必ずテストの成績データと自分の評価がかけ離れていないか確認するようにしていました。そうすることで、自分の主観が本当に正しいのかを吟味することが出来ます。ただしテストの成績だけを理由に評価を変える必要はありません。その評価となる根拠がしっかりとあれば問題はないと思います。

例えば、所見欄に理科の実験技能が優れていたというコメントを書いたとします。しかし理科の技能部分の評価が△や1など低かった場合、そこには矛盾が生じてしまいます。これは生活面においても同じです。誰に対しても優しく友達が多いとコメントしているにも関わらず、思いやりに関する部分の評価を低くつけていると筋が通りません。

 

ただし、矛盾があるから所見に書くことが許されないわけではありません。なぜなら、

評価が低い=全くダメで努力をしていない

とは言い切れないからです。「高評価をつけることは出来ないけれど、こういう姿もあった。」というケースも考えられます。大切なのは、以下の2点がクリア出来ているかどうか。

  • 保護者や子どもからの誤解を生まない表現になっている
  • 万が一矛盾を突かれたときの説明が用意できている

所見と成績に矛盾がある際は、「~しようとしていました。」と態度や意欲面に書きかえたり、「来学期はこのような姿がさらに見られることを期待します。」などの表現で完璧とは言えないことを匂わせたりして誤解を与えないようにしておくのが無難です。

低評価にも関わらず「~が素晴らしかったです。」と書いて保護者が矛盾を感じたとしても、わざわざ教師に連絡してくる方は少数だと思います。ですが、言ってこないだけでがっかりされる可能性はあるので気を付けてください。

 

 

子どもの自己評価をもとにする

いくら教師が所見で評価していたとしても、子どにとっては「こんなことあったっけ?」というくらい印象が薄い出来事だということはよくあります。それでも、保護者や子どもに教師の評価を伝えるために書くというのもいいでしょう。しかし、そればかりだと子どものやる気につながりにくくなってしまいます。

そこでぜひ活用してほしいのが子どもの自己評価です。私は毎学期、自己評価のアンケートをとっていました。アンケートでは、学習面と生活面について頑張ったと思うことを子どもたちに記入してもらいます。頑張った教科のランキングなどを書かせたこともあります。

所見に何を書くか決めた後、子どもの自己評価と照らし合わせてみたときに内容が一致していればより評価に確信が持てます。子どもも「先生は自分のことをよく見てくれている。」という気持ちになるものです。また、このアンケートは所見の内容がどうしても思い浮かばないときにも活用できます。ただしあくまで子どもが書いていることなので、その内容が本当に評価できるかどうかは必ず吟味した方がいいです。