保護者とつながり信頼を得る連絡帳の管理方法

小学校では必ずと言っていいほど使われる連絡帳。時間割や宿題、持ち物を書かせ予定表として活用するだけでなく、教師と保護者間の意思伝達をするためのツールとしても使われます。特に、保護者から教師に伝えたいことがあるとき連絡帳に書き込む人が多いです。

連絡帳は、上手く活用すれば保護者と良好な関係を築くためのアイテムになります。しかし、失敗するととんでもないトラブルを引き起こしてしまう可能性も持っています。連絡帳を上手に使う方法を学んで、保護者からの信頼をゲットしましょう。

 

丁重に管理して信頼関係を維持

連絡帳に書かれる保護者からの言葉。連絡帳を通したやりとりが教師と保護者間の唯一のコミュニケーションになっている家庭もあります。連絡帳に書かれたことというのは普段なかなか教師に思いを伝えられない保護者からの重要なメッセージです。これをどう扱うかによって、その後の保護者との関係性に大きな差が生まれます。

毎日提出させる

教師にとって保護者からの連絡というのは絶対に目を通さなければいけない大切なものですが、子どもはそのような感覚を持っていません。そのため、保護者が「必ず先生に見せてね。」と釘をさしていてもそれを忘れる子がいるのです。そのような子ほど保護者とつながっていることが大事だったりするので、連絡帳には必ず目を通したいものです。連絡帳を毎日全員に提出させるようにすれば、この問題は解決します。

 

朝のうちに目を通す

連絡の内容によっては、すぐ保護者に電話をかけて確認する・管理職に相談するなどの対応が必要なことがあります。また、子ども同士のトラブルに関係するものであればその日中に子どもたちへの聞き取りをしなければなりません。連絡帳の確認が遅くなると対応も遅れてしまいます。その日のうちに対応することで保護者は安心し、教師を信頼してくれるようになるのです。対応が遅くなればその分信頼は失われてしまいます。連絡帳を提出させたら、朝のうちに保護者からの連絡がないか一通り目を通しておくことが必須です。

 

返答は電話または訪問で

連絡帳に保護者からのメッセージがあった際、同じように連絡帳に書いて返すというのはあまりおすすめしません。ちょっとしたことであっても電話、少しでもトラブルにつながる香りがするものは家庭訪問をするくらい徹底しておいた方がいいです。文字でのやり取りは楽ですが、相手が見えないため誤解を生んでしまうことが多々あります。そして何より書いたものは記録として残るため、ちょっとしたことが大きなトラブルへと発展してしまう危険性があるのです。

また、書き言葉では断定的な言い回しを使うため「濁す」ということが出来ません。しかし、電話なら話し言葉なので遠回しな返事をすることが可能です。記録にも残らないため、たとえまずいことを言ってしまっても後からの訂正がきく場合もあります。しかし書いたものは残るため、言い訳もききませんしそれを読むたびに保護者の怒りが再燃してしまう可能性があります。

「電話をかけるほどのことではないものもある」「こんなことでは電話しづらい」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。たとえば体育を見学するという連絡であれば、保護者から体調の様子を聞いたり1日の学校の様子を伝えたりする、宿題を出せないという連絡であれば「わざわざご丁寧な連絡ありがとうございます」と1言伝えてどのように対応したかを伝えるなど、保護者に伝えておいた方がいいことは色々とあります。また、ついでに子どもの良い所や活躍したことなどを報告すれば保護者はさらに協力的になってくれます。

呼び出しや苦情の電話でもないのに毎回わざわざ電話で返答し、さらに子どもを褒めてくれる教師を悪く思う保護者は少ないです。文章での返事を避けて毎回電話をすれば、トラブルを防止するだけでなく丁寧な教師だという印象を持ってもらえます。

 

ペンで書きこまない

電話に出ない保護者、電話をかけることを嫌がる保護者がいる、ちょっとした内容だから連絡帳で済ませたいなどの理由でどうしても連絡帳に返事を書くという場合には、ペンで書きこまないということを心がけてみてください。私は普段から鉛筆やシャーペンなど消せるもので書くようにしていました。

ペンで書いてしまうと、後で訂正しようと思ったときに消せません。無理やり消そうとすると汚くなってしまいますし、修正テープを使ったり紙を貼りつけたりしても剥がしたり透かしたりして読んでしまう方がいます。以前、そのせいでトラブルになってしまったという話を聞きました。これは、そんな経験をした先生からの教えです。

連絡帳にペンで返事を書くことにはかなりのリスクがあります。鉛筆で書いた後でも、「これを読んだ保護者はどう捉えるか」という視点で何度か文章を読み返してみることが大切です。このように、連絡帳に書くときはかなり神経を使うのでやっぱり電話の方が楽な上に安心です。 

 

お手紙で返す

保護者の方から心の込もったメッセージやお手紙をいただくことがあります。そのようなときには、逆に文字の力を使ってください。言葉は、口にすることでニュアンスが正確に伝わりますが簡単に伝わるからこそ軽く感じられてしまうことがあります。真実味が出るのは電話より文章です。

感謝の気持ちに対して電話をかけてお礼をするのは丁寧ですが、何となくいやらしい感じが出てしまいます。「素敵なお手紙ありがとうございました。こちらこそ、~~さんのご協力にいつも助けられています。」同じことを伝えるにしても、文字に変換するだけで謙虚さや誠実さを印象づけることが出来ます。

私が勤めていたときに何回かお手紙をやり取りしていた保護者の方がいましたが、私のやり方を理解し手助けしてくれる貴重な存在でした。ちょっとした気遣いですが、連絡帳に書くと何となく味気なくなってしまうことも、お手紙にすることでより気持ちが届きやすくなります。心がほんわかするようなイラストのついた便箋などを用意しておくと便利です。

 

 

日記のコメントで保護者とつながる

余裕があれば、連絡帳に日記を書かせる実践に取り組んでみてください。これには、多くのメリットがあります。

書く力を育てる

長々とした日記だと毎日書く子どもの負担になってしまうため、長さは三行程度がちょうどいいです。内容は授業や行事のことなど学校生活についてがメインですが、特に最初は好きな食べ物など書きやすいテーマを出してあげると喜んで書きます。書くのが苦手な子はたった三行でも苦労するので、そんな子にはどんなところが好きか、ランキングなど三行書けるようなヒントをあげてみてください。取り組ませ方にもよりますが、1年間続ければ書く力がずいぶん身に付きます。

 

子どもの様子を共有する

色々なテーマで三行日記を書かせてみると、教師の知らない子どもの様子や人間関係に気付くことがあります。そのような情報は子どもへの理解を深めることにつながり、普段の指導にも生かすことが可能です。私も連絡帳に日記を書かせていましたが、その内容について子どもと雑談することがよくありました。また、日記によって保護者も子どもが学校でどのような活動をしているか知ることが出来ます。「これまでより学校の話を家でよくするようになりました。」そんな声も聞こえてきました。日記を書かせることによって、子ども・教師・保護者の三者で共有できることの幅がぐっと広がります。

 

コメントで想いを伝え、姿勢を見せる

連絡帳を提出させたら、子どもが帰るまでに目を通して丸付けをしてあげてください。余裕があるときはコメントを書いてあげると子どもはより真剣に取り組みます。教師からのコメントは、子どもだけでなく保護者もよく見ています。コメントにはその人の教育観や教育に対する姿勢が表れるので、「子どもや保護者に伝えたいこと」を意識しながら書いてみてください。教師の想いや考えが子どもや保護者に伝わることで、より指導への理解が深まり協力を得やすくなります。

 

 

連絡帳一冊と甘く見ることなかれ

教師になりたての頃は子どもにばかり目がいきがちで、保護者からの連絡までなかなか気がまわりません。私も、隣のクラスの先生が保護者からの連絡にすぐ対応している姿を見て自分の未熟さを感じたことを覚えています。たかが連絡帳1冊ですが、そこにどのくらいのこだわりを持つかによって仕事の良し悪しは大きく変わります。失敗を防ぐためには先回りして対策することが必要ですし、小さなことも継続すれば大きな成果へとつながるのです。