席替えをする理由や目的は?席は教師が決めるべき?

小学校、中学校、高校を問わず学校での席替えは子どもたちにとって最も楽しみなイベントのうちの1つです。学生時代には席替えを経験してきた人がほとんどだと思いますが、そもそもなぜ席替えをするのでしょうか。席替えはしてもしなくても良さそうに感じられますが、教師が席替えをするのには色々な訳があります。

 

席替えをする理由や目的

席替えをするとなると、色々な準備が必要になるので教師にとっては手間に感じます。席替えをしなければそのような準備も必要無いので楽といえば楽です。それなのになぜわざわざ準備してするかというと、席替えには様々なメリットがあるからです。

教室の空気を変え、学級を活気づける

長いあいだ同じ席で学習させていると、環境が変わらないため子どもたちの気分がだんだん下がって教室の空気が重たくなります。教室の空気が重たくなると、授業も何となく盛り上がりに欠けてしまうんですよね。席替えには、そんな教室の空気をガラッと変えることが出来るというメリットがあります。子どもたちは基本的に毎日決まった席で学習しなければならないので、席替えをして目線を変えてあげるだけでもリフレッシュになります。席替えをすればクラス全員の気分が変わるので、学級全体の雰囲気が明るくなるという効果があるのです。席替えによって子どもたちの気分が上がり教室に活気が出れば、他の活動にも良い影響が出てきて授業もしやすくなります。

 

子ども同士の交流の機会を増やす

ペア活動や班での話し合いなど、授業では近くの席の友達と交流する活動を仕組むことが多々あります。そのような活動の中で互いに意見を交換させることは子どもたちの人間関係を深めることにもつながりますが、席替えをしないと子どもたちはいつも決まった相手と学習することになります。単元や学習内容によっては新しいグループを作って学習させるものもあるかもしれませんが、そのような単元ばかりでは無いので基本的には隣の席や班の友達と交流することになるはずです。休み時間は仲よしの友達と遊ぶ子がほとんどなので、席替えをしなければ子どもたちの人間関係が固定化してしまいます。

色々な友達と関わるきっかけを作るというのも、定期的な席替えをする理由の1つです。これまで話すことが少なかった友達とも席が近くなれば関係が深まります。席替えによって交流の機会を増やし、友達のことを理解させることによって学級全体の人間関係を良くすることが出来るのです。

 

学級内の問題やトラブルを防止・改善する

授業をする中で学級に目を向けてみると、様々な課題や問題点が見えてきます。たとえば私がこれまでに気付いた問題にはこのようなものがありました。

  • 隣同士で話が盛り上がり、授業に集中できていない子たちがいる。
  • 反対に、隣同士でいつも意見が対立している子たちがいる。
  • 声をかけないと集中して取り組めない子がいる。

このような問題を放置していると、事態が深刻化してしまう場合があります。学習に集中できない子どもや教師の声かけが必要な子どもを前の方の席にしたり、トラブルが起きそうな子ども同士を離したりすることで問題が悪化する前に予防することが大切です。このように、席替えには学級内の問題を改善したり、トラブルを未然に防いだりする目的もあります。

当然ですが、席替えをすればまた新たな問題が見えてきます。子どもは常に成長し変わっていきますし、周囲の人間関係に影響されることもあります。問題が無くなるということはないので、常に子どもたちに目を凝らしながら問題点を見出し改善策を講じることが重要であり、席替えはその手段の1つです。教師はこのようなことをくり返す中で子どもたちの特性や人間関係をつかみ、学級がうまく機能するように工夫していかなければなりません。

 

 

席替えの方法や決め方はどうすべき?

席替えの方法はくじ、自由席、教師が決めるなど様々です。どの方法を選ぶのが良いのでしょうか?

自由席のメリット・デメリット

子ども自身に席を決めさせることのメリットとデメリットは両極端です。まずメリットとして挙げられるのは、子ども自身が望む席に座れるという点です。教師が決めてしまうと席替え直後から不満顔の子がいることもありますが、自由席ならその心配がありません。後ろの席や窓際が落ち着ける、前の席で勉強したいなど子どもの望みがある場合、それを叶えてあげられます。好きな席を選んで満足できれば、授業に取り組む姿勢も変わってくるかもしれません。

しかし自由席にした場合、どうしても好きな友達同士で近い席になるため人間関係が固定化したり、トラブルになりやすい組み合わせが生じたりすることがあります。個人の能力も考慮されていないため学習がスムーズに進まない可能性も高いです。どちらかというとデメリットの方が大きいですね。仮に自由席を取り入れるとしたら、そのような問題が発生することを見越し、必要なルールを設定した上で実行することをおすすめします。

 

教師が決めるのがベスト

子どもへの支援や学力の向上、トラブルの防止などを踏まえて総合的に考えると、子どもの座席は教師が決めるのがベストです。仮に学力等を考慮せず自由に席を決めさせた場合、まず授業での教え合いが出来なくなると思ってください。

教師が意図的に学力が高い子と低い子同士でペアやグループを組ませればバランスよく教え合いができます。しかし、くじや自由席などで適当に座席を決めると学力が高い子同士・低い子同士のペアやグループに分かれてしまいます。そうなったとき、学力が低い子同士のペアはどちらも答えを持たないため交流ができません。さらにグループでの活動に取り組ませる際も、学力が高い子やリーダー性のある子が集まるグループはスムーズに学習が進むのに対し、学力が低い子やついていくタイプの子ばかりのグループは活動が進まず困り果ててしまいます。

子どもたちは、このようなことまで想定して席を決めることが出来ません。自由席と言うと最初は喜びますが、いざ自分で席を決めるとなると冷静に判断できず、気が強い子同士で同じ班になって「やっぱり離れたい。」と言い始めたり、結局教師に決めてもらった方がいいと言い出したりする子もいます。

教師に経験や力量があり、学級経営が相当上手くいっている場合や子どもたち自身がしっかりしている場合であれば問題ないかもしれませんが、ほとんどの場合は教師が決めた方が学級は安定します。どうしてもくじ引きや自由席替えなどをしたいという場合には、学習が終わっている学期末や1時間だけの限定席などレクレーションの一部としてやるくらいがちょうどいいでしょう。

学校が勉強する場、人間関係を学ぶ場であることを考えると、子どもの座席というのは非常に重要です。子どもに席を選ばせると、それはそれで色々な発見がありますし、偶然から何か良いきっかけが生まれることもあるとは思います。ですが特に経験が浅く力量がないうちは、なるべく学級が安定するやり方を優先すべきです。そのためには、子どもの座席も教師が計画的に決めていくのが無難なのは言うまでもありません。

ただし、教師が決める席替えは子どもの反発を生みやすいので不安であればこちらの記事を参考にしてください。