子どもの席を決めるときのポイント

子どもの席を決める際、どの子をどの席にしようか悩むと思います。教師が決める以上、失敗してしまうと授業がやりにくくなってしまうだけでなく子どもからも文句を言われる羽目に。席替えで失敗しないためのポイントをまとめました。

 

教師が決める席替えで配慮すべきこと

同じ席にならないようにする

これは最も気を付けるべきことの1つです。席替えをしたのに席が変わらなかったとき、前向きな子なら「席を移動しなくていいから楽だ」と考えてくれますが多くの場合は反感を買います。これを防ぐには席を決めたあと何度もチェックすることです。私は必ず何度か見直すようにしていますが、1度だけこの失敗をしたことがあります。不注意から同じ席にしてしまったので、子どもが残念がる声を聞いてかなり申し訳なく思ったことを今でも覚えています。くじの場合は「運が悪かったね。」で済みますが、教師が決める場合はごまかしがきかないので気を付けてくださいね。

 

隣の席や班のメンバーを入れ替える

ペアやグループを考えているうちに、気付かず同じ組み合わせになってしまうことがあります。隣同士や同じ班にできる子どもの組み合わせが限られているため仕方ない部分はありますが、連続で同じだと新鮮味がありません。相性の良いペアの場合は「また同じだったね!」と明るく受け入れてくれますが、「早く離れたい。」と思っていた場合は不満が溜まります。

誰が隣の席になろうと受け入れられる心を持ってほしいとは思いますが、一口にそれだけで片付けられる問題ではありません。仮に片方の子が何かしらの問題を抱えていた場合、もう1人の子に負担がかかることがあります。問題のある子には大体しっかりした子をつける先生が多いと思いますが、たとえば忘れ物を頻繁にする、学習に消極的などの問題があったとき、真面目でしっかりした子はその度に持ち物を貸したり活動に参加できなかったりという我慢を強いられるのです。それをずっと耐えてきたにも関わらず、続けて隣でも我慢するのが当たり前というのはちょっと違いますよね。

一見問題なさそうに見えていたとしても、教師が知らない所で我慢していたりトラブルが生まれていたりすることはあります。出来るだけ多くの友達と関わりを持たせるためにも隣の席や班のメンバーを入れ替えることは大切です。班の友達が1人か2人かぶってしまうというのはしょうがないですが、隣が同じ・班のメンバーが全員同じということは無いようにするべきです。

 

窓際やドアの近くにいる子は定期的に変える

窓際の子やドアの近くに座っている子は、どうしても誰かが開けっ放しにした窓やドアを閉める機会が増えます。教師も何気なしに「ちょっとドア閉めてくれる?」「窓を開けましょうか。」と頼むことがありますよね。子どもは窓やドアに1番近いのは自分だと分かっているため仕方なく開け閉めをしてくれますが、その度にちょっとした労働を強いられることになるので知らず知らずのうちに不満が募り、カリカリしていることがあります。少しの間は我慢してほしいと思いますが、ずっと窓やドア付近の席が続くのは可哀想です。なので、窓際やドアの近くの席は小まめに入れ替えてあげてください。

 

視力が低い子を前の席へ

視力については健康診断などで検診があると思いますので、その記録を見れば子どもたちの視力を把握することができます。視力が悪い子が後ろの方にいると、黒板の字や前に貼った資料が見えないため困ります。そのような状態で授業を受けていても学力は定着しません。子どもにたずねて自分で移動させるという先生も多いと思いますが、子どもの中には視力が悪くても気にせず後ろに座っている子やみんなの前で恥ずかしくて言えない子、中には自分の視力を分かっていない子(信じられないかもしれませんが本当にいます)もいるので必ず確認するようにしてください。

また、年度当初の検診の際には視力が良くても1年経つ間に低下してくることがあります。子どもが見えないと訴えてきた際には視力の検査を勧めましょう。自分では気づかない子もいるので、授業の中でノートが書けていなかったり見づらそうにしていたりするときは確認が必要です。

 

支援が必要な子は手が届く範囲に

学力が極端に低い子やグレーゾーンの子、声かけがないと集中できない子など支援が必要な子はなるべく教師から近い席に座らせましょう。その際、バラバラに座らせるより集中的に配置した方が手が回ります。バラバラに座らせてしまうと、机間指導で1人1人の子をまわらなければいけなくなり大変です。しかし集中的に配置すれば支援を必要とする子数人に対して1箇所から、あるいは短い距離の移動でアプローチすることが出来ます。机間指導をする際どのような流れで机を見て回るかを意識し、配置を工夫してみましょう。

 

子ども同士の相性を考慮する

子どもにも当然ながら相性がありますが、相性の悪い子同士を隣の席や同じ班にするとペア活動やグループ活動の際にトラブルになることがあります。そうなると、活動が停滞してしまったり休み時間を使って仲裁をしたりと時間や労力がかかってしまいます。そのような組み合わせは最初から避けておくことで不必要な手間を省くことができます。

もちろん合わない子とも仲良くすることやお互いの良さを認め合うことを指導していくことは大切です。しかし、相性の悪さには理論が通用しない部分もあります。大人だって、どうしても苦手で合わないと感じる人がいるはずです。もともとの相性が悪い相手とは、無理に近づくよりも適度な距離を保った方が上手くいくものだと思います。

 

学力や性格のバランスを考える

ペア学習やグループ学習をスムーズに行っていくためには学力のバランスが取れていることが重要です。学力が低い子同士のペアやグループを作ってしまうと学習が成り立たなくなってしまいます。学力の高い子と低い子同士をペアにするか、グループに1人は学力の高い子を入れることで交流も活発化します。

また子どもが主体的に行う活動のことまで考えると、学力だけでなく子どもの性格についてもバランスを取ることが大切になってきます。なぜなら、いくら学力が高くとも消極的な子ばかりが集まるグループでは活動が進まなくなってしまうからです。かといって積極性のある子ばかりを集めても意見がぶつかってトラブルにつながる可能性があります。グループに1人はリーダー性のある子や協調性のある子を入れるなど、子どもの性格を考えながら人間関係についてもバランスがとれたグループ構成にすると上手くいきます。

 

 

座席は記録し管理する

席替えをしたら、席の組み合わせを記録しておくことをおすすめします。なぜかというと、記録がなければ以前の組み合わせを忘れてしまうため同じペアやグループを作ってしまう可能性があるからです。絶対に同じ組み合わせを作ってはいけないというわけではありませんが、色々な友達と交流させていくことが大切なので可能な限り違う組み合わせになるよう努力してほしいと思います。

私は席替えの度にパソコンで座席表を作成しデータ化していました。そうすればこれまでどのような組み合わせをしたか、どの子がどの席に座っていたかということを把握できます。データ化して保存しておけば必要なときにすぐ取り出せます。書類を探す手間も省けて便利です。

 

 

教師が決める席替えで計画的な指導を

子どもの席を決めるときのポイントについて紹介しましたが、書き出してみると思った以上にたくさんありました。教師が決める席替えではこれだけ多くの、場合によってはこれ以上の配慮が必要になってきます。席を考えるのはなかなか大変で、隣の子が同じにならないように気をつけながらこれまでとは違う座席にしていくだけでも一苦労です。子どもによって配置できる席の位置やペアにできる子の組み合わせは限られているため、回数を重ねるごとにバリエーションも減っていきます。その中で子どもが満足し授業もやりやすくなる理想的な配置を考えるのは楽な作業ではありません。

教師が決める席替えよりも、くじや自由席の方が遥かに簡単なうえ子どもも喜ぶため、そちらを選ぶ教師が多いのはうなずけます。しかし、教育は意図を持って行うことが重要です。場当たり的な指導をなるべく避け、計画にもとづく学習活動を展開していく上で教師が座席を采配することは重要な意味を持ちます。