掃除しない子をつくらない!清掃指導のポイント

教室は子どもたちが学校生活で最も長い時間を過ごす環境です。美しく清掃された教室と、ホコリが溜まりうす汚れた教室。どちらが子どもに良い影響を与えるかは一目瞭然ですよね。清掃指導を徹底した方がいい理由や掃除しない子どもを生み出さないためのポイントについて以下に紹介していきます。

 

 

清掃指導を怠ると学級はどうなるか?

清掃指導が重要なことはよく言われていますが、清掃が徹底されないことで子どもたちにはどのような影響が出るのでしょうか。教室が汚れていること自体良くないのですが、それより恐ろしいのは学級の雰囲気が乱れること。清掃が徹底できていない学級は、トラブルが多く騒然としています。それは、子どもたちの「やるべきことを当たり前にやる」という気持ちが薄れてしまっているからです。やるべきことを当たり前にやる。この精神が欠如してしまうと学級は大きく揺らぎ始めます。

教室が汚れているのは、真剣な姿勢で清掃に取り組めていない証拠です。新学期には生き生きと真面目に活動していたにも関わらず、だんだん怠けた態度が目立ち始めます。そして、残念ながらこの雰囲気は他の子どもにも伝染していきます。清掃が徹底できないことで、学級全体から秩序が失われていくのです。特に学級で中位~下位にあたる子どもたちはそれが顕著に表れてくるので注意が必要です。

 

 

 

清掃指導のポイント

では、具体的にどのようにして清掃指導を行えばよいのでしょうか。「厳しく指導する」という意見が一番多そうです。間違いではないのですが、”厳しさ”と”無茶苦茶”を混同してはいけません。子どもの様子を徹底的に見張り、やみくもに怒る…というのは”無茶苦茶”です。そんなやり方で掃除を徹底させることは出来ません。こんなことを続けていたら、子どもたちの不満は募るだけ。教師がいないところでは掃除をサボるようになるのがオチです。教師がいないところでも進んで掃除する子どもを育てるためには、「見通しを持たせ」「環境を整え」全員が気持ちよく動ける「システムを構築する」ことが大切です。

 

 

掃除のやり方を具体的に指導する

重要なのに意外と徹底されていないのがコレ。「小学校低学年でもない限り、掃除のやり方なんて教える必要はない。」「これまでやってきているんだから分かるだろう。」このように思われがちですが、そう安易に考えてはいけません。教師が変わると子どもの思考はリセットされます。なので、「そんなの当たり前だろう。」と思うようなことでも、確認のため全体に伝えて共有する必要があるのです。

教師目線の基準、やり方を細かく教えなければ、子どもは教師がどの程度のレベルを求めているか分かりません。また、教師も評価基準をもっていないと子どもを指導できません。掃除を徹底させるためには、「掃除のルール」として子どもたちに浸透するくらいしっかりとやり方を伝え、学級全体で共通認識を図る必要があります。

 

掃除のやり方の具体的な指導に関してはこちらで紹介しています。

 

 

 

作業を分担する

掃除が徹底されない原因の1つとして、役割分担の不明瞭さが挙げられます。教室掃除が5人だったとき、「5人で教室を掃除しましょう。」と伝えるだけでは確実に掃除は徹底されません。徹底させるためには、掃除の作業を5人に分担する必要があります。

例えば、教室掃除でやるべき事を挙げていくとこれだけの作業があります。

作業例

窓開け 机・いすを運ぶ ほうき 水汲み 水捨て 床拭き 棚拭き 黒板 黒板の溝・チョーク入れ 黒板消し掃除 窓閉め ちりとり ゴミ捨て 掃除用具の整理

 

上記の作業を教室掃除の5人に割り振ります。

分担例

A ほうき → ちりとり → ゴミ捨て

B 窓開け → 机・いすを運ぶ → 床拭き (2人)

C 黒板 → 黒板の溝・チョーク入れ → 黒板消し掃除 → 窓閉め

D 水汲み → 棚拭き → 水捨て → 掃除用具の整理

このように細かく作業を分担することで1人1人の仕事内容が明確になり、子どもたちは見通しを持って作業できるので動きに無駄が無くなります。さらに、掃除が徹底されていなかった際もどの子どもに責任があるのか一目瞭然なので教師は指導しやすくなります。また、分担が出来れば子ども同士で面倒な作業を押し付け合うことも無くなります。一石二鳥どころか三鳥ですね!上の分担はあくまで一例なので、作業内容や分担の仕方は工夫してみてください。

 

 

役割をローテーションする

上のような分担が出来たら、役割を入れ替えるローテーションを組みます。役割はなるべく頻繁に入れ替えるのが理想です。固めてしまえば効率は良くなりますが、不公平が生じてしまうからです。

一般的に掃除場所は学期ごとに入れ替えという場合が多いかと思いますが、「ほうき」「ぞうきん」のように役割を決めそれを固定してしまうと、子どもは数か月間「ほうきだけ」「ぞうきんだけ」を担うことになります。これでは作業量が不平等な上、他の役割を体験する機会が減ってしまうのであまり良くありません。

掃除では、ほうきのプロやぞうきんのプロを育成しているわけではありません。すべて自分自身の力で身の回りを綺麗にする力を育てるためには、色々な役割を体験させる必要があります。そこでおすすめなのが、上に紹介したA~Dの役割を一定期間で交代する方法です。そうすることによって、掃除場所の入れ替えをせずとも子どもに全ての役割を何度も体験させることが出来ます。

 

 

道具を使う

清掃を徹底させるためには、ホコリや汚れが1つもない状態を目指すのが理想です。しかし、学校に常備されている掃除用具だけでそれを実現するのは難しい部分があります。例えば、教室掃除。ほうきとちりとりだけで全てのホコリを取り除くのは大人でも至難の業です。特に最後のホコリをちりとりに入れる作業は大変です。上手く取り除けないために、残ったホコリをササッと散らして掃除を終わらせてしまう子がよくいますが、これではごまかし方を学ばせているようなものです。

この問題を解決する方法は簡単です。教室に掃除機を1台設置するだけ。現代はほとんどの家庭が掃除機を使いますよね。ほうきとちりとりで家の中を全て掃除するという家庭は稀だと思います。掃除機で吸えない大きなゴミや一部分のゴミはほうきとちりとり、広範囲の小さなホコリは掃除機という使い方が現実的で、実生活にも合っています。他にも、黒板消しクリーナーを使えば窓の汚れや黒板消しの傷みを防げますし、どうしても落ちにくい汚れは市販の特殊なスポンジや洗剤を使うことで落とせる場合もあります。

いくら頑張っても綺麗にならなければ、子どもはやる気を失ってしまいます。そんなとき、よく落ちる道具を与えると子どもは喜んで掃除に取り掛かります。学校の掃除用具を使いながら必要に応じて市販の道具を取り入れるだけで、子どものやる気を引き出し学校も綺麗になるなら良いことづくしですよね。学校によっては難しいところもあるかもしれませんが、学級費や自費負担すれば基本的には問題ありません。可能であればぜひ実践してください。道具を取り入れる際は、その使い方に関しても指導しておくことを忘れずに。

 

 

 

厳しく指導すると言い切る

指導を徹底する上で何より大事だといっても過言でないのが教師の覚悟です。徹底させたければ、1学期の早いうちに掃除の指導を厳しく行うということを断してください。何が何でも4月のうちに掃除に対する真剣な心構えを持たせ、その姿勢を継続させていくことが大切です。ゆるくなった雰囲気を立て直すのはたやすいことではないので、必ず早いうちに行うことをおすすめします。

ただし、厳しく言い切るだけで子どもはついてきません。子どもの努力を評価することも忘れないでください。教師が毅然とした態度で正しい道を示せば、ほとんどの子どもはそれに向かって努力します。特に初めのうちは子どもがよく頑張るのでチャンスです。その頑張りを見逃さず、全力で賞賛します。厳しく、厳しく、厳し~く指導して褒める!このメリハリが成功の秘訣です。

子どもたちに真剣な心構えが出来たら、繰り返し褒めることで意欲を継続していきます。しかし、ここで注意したいのが褒め方です。ワンパターンだと子どもは興ざめしてくるので場面や褒め方を変えながら褒め続けることが大切です。「自分は掃除が得意」「ここは掃除を頑張る学級」子どもたちにそう思わせることが出来たら、教師の勝ち。「掃除を頑張らない風潮」を絶対にのさばらせないように気を付けましょう。