学級崩壊を引き起こさないために大切なこと

学級崩壊が起こってしまうことには様々な要因があります。クラスにいる子どもの特性や家庭環境、学校の校内環境、そして教師の指導。全てが複雑に絡み合って学級崩壊に至るため、何が悪いかは一概には言えません。

ですが、あなたのクラスが1度だけではなく何度も荒れたり崩壊を起こしたりするというのであれば、それは教師であるあなたの姿勢に何も問題が無いとは言い切れません。現に同じ学校内でも若手の教室は荒れやすくベテランの教室は落ち着いていることが多いです。子どもが同じなのに教室の状態が違うということは、指導に改善の余地があるということを意味しています。

若手に指導力が無いのは当たり前のことです。それに、ベテランであってもこれまで自分の指導を見直してこなかったとしたら指導が通用しなくなってくるのも自然なこと。こうした現状があるのだとしたら、力量の無さを素直に受け止めて改善していきましょう。ここでは、学級崩壊を未然に防止するために教師が大切にすべき心構えについて紹介していきます。

 

学級崩壊を起こさないためには

絶対に荒れさせないという強い意志を持つ

今年は初めての担任だから仕方ない、1年間我慢すればいいから何とかなる。そんな気持ちでいたら当然ながら学級は荒れます。まずは受け持ったクラスを「絶対に荒れさせない」という強い意志を持つことが大切です。本気でそう決心したとき、その意思は授業づくりや子どもへの関わり方といった行動面に表れるものです。

 

最初は「普通の学級」を目指す

特に若手が失敗しやすいポイントがここです。教師に求められているのは「良い学級をつくること」ではありません。全ての子どもに学習の権利を保証することこれが最低限です。学級が荒れている、または崩壊しているクラスでは全ての子どもに学習の権利を保証してやることが出来ません。

もちろん、「良い学級」がつくれるとしたらそれに越したことはありませんし、理想のクラスをつくることは教師の夢でもあるでしょう。しかし、学校とは本来子ども達が学ぶ場であり、全ての子どもに学習の権利を保証するという最低限の責任を果たすことはあなたの夢の実現より大切なことのはずです。まず必要なのは「良い学級をつくること」ではなく当たり前のことを当たり前にできる「普通の学級をつくること」です。このことを絶対に忘れてはいけません。

その意味でも、上述の「絶対に荒れさせない」という意気込みを持つことは重要になります。なぜなら、あなたの意識が「良い学級」をつくることで夢中なのだとしたら、そこに「荒れさせない」という思いが足りないからです。これまでの失敗を反省し、まずは当たり前のことが当たり前にできる「普通の学級」をつくるという考えに今すぐ改めてください。

 

 

 

子どもの気持ちを理解し、指導に生かす

子どもの気持ちを理解し指導に生かすということは、つまり子どもに寄り添った指導をするということです。「寄り添う」と似ていて間違いやすい言葉に「馴れ合う」というものがあります。子どもと「馴れ合う」ことと子どもに「寄り添う」ことは似ているようですが意味が全く異なります。子どもと「馴れ合う」というのは教師と子どもの間に壁がない状態、つまり友達のような関係で教師に権威がない状態のことです。「寄り添う」というのは一定の距離を保った上で子どもの気持ちを理解し、指導に生かすことを言います。この意味を混同してはいけません。

子どもと「馴れ合う」状態になると指示が行き届かなり、当たり前ですが学級は荒れていきます。しかし反対に「寄り添う」ことを全くしないという学級もだんだん荒れていき、やがては崩壊します。なぜなら、子どもも心を持った人間だからです。いくら教師の指導が正しいとはいえ、子どもにも感情があります。あなただって、いくら正しくても「この人の言うことは聞きたくない。」と思うこともあれば、間違っていると思いながらも「この人が言うから聞いておくか。」と思うことだってあるはずです。そしてそれは子どもも同じです。

どんなに指導が下手だったとしても、教師が子どもを理解し寄り添いながら指導している学級は崩壊の一歩手前で止まることもあります。しかし、指導は上手くても子どもを理解していない教師のクラスが崩壊したときにそれを支えるものは何もありません。それほど子どもを理解するということは重要だということです。子どもの心が離れていることを感じたら自分本位の指導になっていないか思い返し、子どもたちが納得できるやり方に変えてみることも大切です。

 

学級経営を学ぶ

学級経営において重要なことは「学びの場」として学級を機能させ、その中で子ども達に「良好な人間関係」を築かせていくことです。「学びの場」となっているから子どもたちは真面目に学習に向き合う姿勢を持ちます。「良好な人間関係」があるから安心して学校に通い、学び合うことが出来るのです。この2つはどちらが崩れたとしても学級として機能しません。なぜなら、片方が崩れるともう片方も崩れていってしまうからです。さらにこの2つは、教師が意図して仕組まなければ正常に機能することはありません。何もしなければ学級はただの空間であり、子どもたちは寄せ集められただけの集団です。学級経営とは、教室という空間を学びの場に変え集団を仲間へと成長させていくこと、それを教師が意図して行っていくことを意味します。教師の意図のもと円滑に運営されている学級が崩壊することはありません。そして学級を円滑に運営していくには知識と経験が必要です。今すぐ経験を積むことは出来ないため、少なくとも知識を身につけた上で計画的に学級を組織していくことが学級崩壊を防ぐ上で大切です。

 

授業の腕を磨く

子どもの学校生活において最も長い時間を占めるのはなんと言っても授業です。授業の腕があれば、授業を通して自然と子どもに学習の姿勢を身につけさせることが出来ます。それだけでなく、授業で子どもたちの心をつかむことだって出来ます。そのため授業が上手な先生のクラスが荒れることは滅多にありません。授業と学級経営の2つは関連している部分が多く、授業が上手な先生はおおかた学級経営も上手ですし、学級経営が上手な先生はたいてい授業も上手です。

さて、それでは子どもたちが望んでいる授業とはどのようなものなのでしょうか。それは、「楽しく」「よく分かる」ものです。「楽しい」授業であれば勉強に集中することが出来るので「よく分かる」ようになりますし、「よく分かる」授業であれば出来ることが増えていくことで自信がつき、「楽しい」と感じるようになります。学校生活の長い時間を占める授業で子どもたちを満足させることが出来れば教師への信頼感も生まれます。

両方の実現が難しければ、少なくとも「分かる授業」にすることだけは意識して取り組むことが大切です。子どもにとって「楽しくないけど分かる授業」であればまだ救いようはありますし、その中で楽しさを見つける子どももいるでしょう。しかし「分からない授業」の中に楽しさはありません。「分からない」授業ばかりしてしまうと子どもの不満が溜まり、学級は確実に荒れ始めます。なぜなら、勉強が分からないということは子どもにとって非常に困ることだからです。子どもたちは口にしないだけで勉強の大切さは嫌というほど分かっています。だからこそ嫌なことがあっても毎日学校にやって来るのです。「分からない」授業をすることは子どもを混乱させ、自信を奪い、進む方向性を見失わせてしまうことにつながってしまいます。「分かる授業」を目指し、子どもに自信をつけていく努力を始めましょう。

 

保護者の信頼と協力を得る

不思議なことに、子どもと上手くいっているとその保護者とも上手くいきますし、子どもと上手くいかないと保護者とも上手くいかないということがあります。このように、子どもとの関係は保護者との関係にも大きな影響を与えるものです。そしてそれは逆の場合にも当てはまります。保護者と上手くいかないと子どもとも何となくぎこちない雰囲気になりますし、保護者との関係が良い子どもとの関係が断絶することはありません。信じがたいかもしれませんが、これは実際に経験して実感したことでもありますし、他の先生方の多くも同じ印象を抱いているはずです。

しかしこれは、逆に取れば子どもと上手くいきたいのであれば保護者の信頼と協力を得ることが重要だということを意味しています。保護者が教師を信頼し、協力してくれる学級が崩壊することはありません。なぜなら子どもが学級で悪さをしても保護者がそれを止めてくれる可能性が大きいからです。しかし保護者が教師を信用していないと、たとえ子どもが悪くてもそれは教師の指導が悪いせいだと捉えられてしまう可能性があります。そうなった場合、教師は批判されるだけです。保護者が教師を批判すると、子どもは教師を信用しなくなります。こうして保護者と子どもの両方から信頼を失った学級に訪れるのは崩壊です。こうならないためにも、保護者からの信頼と協力を得ることが重要になります。

 

日々の積み重ねが大切

人は誰しもすぐに変わることは出来ません。しかし、上記のことを意識しながら毎日少しずつ実践を重ねることで力量は確実に身についていきます。失敗したとしても、その経験は必ずあなたの力になっているのです。

少なくともあなたは毎日苦労しながら子どもと向き合っているはずです。前進することはあっても後退するはずはありません。きつい分だけ前進していると前向きに捉えましょう。ずっと良いクラスにばかり当たってきた先生は、難しい子どもに当たったとき途方に暮れるといいます。いまあなたが苦しいと感じているのであれば、それは成長している証拠です。いまのあなたは指導の勉強をしている、未来への貯金を増やしている最中なのです。いまのうちに色々と試し、上手くいったことを今後の財産にしていってください。