朝の会・帰りの会・HRは何のためにある?ねらいと意義

学校では朝と帰りに短時間、朝の会や帰りの会、HR(ホームルーム)と呼ばれる活動が設けられています。私が初任のときにすごく迷ったのが、「この時間は何をすれば正解なのだろう?」ということ。「朝や帰りの会は何のためにあるのだろう?」と疑問に思いながらも、よく分からないままにササッと流してしまっている方はたくさんいると思います。ここでは、朝の会と帰りの会、HRのねらいや意義などについて解説していきます。

 

 

朝の会や帰りの会(HR)があることの意義

 

学校生活のリズムをつくる

朝の会や帰りの会は何のためにあるのか?それを理解するために着目すべきは、朝の会と帰りの会がそれぞれ1日の始まりと終わりに設定されているという点です。子どもたちにとって朝の会は1日のスタート、帰りの会はゴールとなっています。つまり朝の会や帰りの会が設定されている理由の1つとして、学校生活のリズムをつくるという大きなねらいがあるのです。

 

 

話を聞く姿勢が身につく

朝の会や帰りの会の時間には、基本的に教師の話(先生のお話)の時間があります。そのため子どもたちは必然的に1日の始まりと終わりに教師の話を聞くことになりますが、実はこの時間が話を聞く姿勢を育てる上で非常に重要なのです。朝や帰りの会にある教師からの話は授業と関係のないものですが、毎日のこの時間の中で子どもは人の話に耳を傾ける姿勢を自然と身につけていきます。

人の話を聞く姿勢を身につけておくことは、子どもたちの今後の人生で絶対に必要だと言えます。なぜなら、人の話を聞かなければならない場面は学校に限らず会社やスポーツ大会、イベントなど多々あるからです。人の話が聞けない子は、まず間違いなく将来苦労することになります。ですので、朝や帰りの会に教師からの話が無いという学級はぜひメニューに加えてくださいね。

 

 

担任のメッセージを伝える場となる

教師は授業の中で子どもの前に立って話す機会はありますが、その内容はあくまで授業に関係するものに限られています。そのため、教師が自分の想いを子どもに伝えられる時間というのはほとんどありません。しかし朝の会や帰りの会の教師の話では、内容に縛られず担任の思いを伝えることが出来ます。つまり朝の会・帰りの会やHRというのは、担任が自らの思いを伝えたり話したりする機会が確実に保証されている唯一の場だと言えます。

もちろん、授業中であっても必要であればその場に応じた指導を適宜行うことは可能です。しかし、必要かどうかに関わらず教師のメッセージを自由に発信できるのは朝の会や帰りの会だけです。そのためこの時間とどのように向き合い、全体にどのような言葉かけをしていくかによって学級の雰囲気が変わってきます。学級経営と結びつけながら伝えていく想いやメッセージを考えてみてください。

 

 

 

朝の会と帰りの会のねらいは同じ?

上の部分で朝の会や帰りの会の意義について一括りに解説してきましたが、朝の会と帰りの会のねらいは同じなのでしょうか?私は、同じ点もあれば異なる点もあと思っています。

ここまでは、「朝の会や帰りの会の意義」として両方に共通しているねらいだけを書いていきました。しかし、上の部分でも説明したように朝の会は1日のスタート、帰りの会は1日のゴールとしての意味合いを持っています。スタートとゴールでは、それぞれ違ったねらいがあって当然です。それぞれのねらいをより正確に理解してもらうために、朝の会と帰りの会のねらいについてこの先では別々に解説していきたいと思います。

 

 

 

朝の会(朝のHR)のねらい

 

子どもの心身の状態を把握する

朝の会や朝のHRには健康調べ・健康観察などのメニューがありますが、これは単なる出欠確認ではありません。出欠確認の意味合いもありますが、子どもの健康状態を確認するという大きな目的があります。なぜ、健康状態を把握しておく必要があるのでしょうか?

子どもを預かる以上、その身にもしものことが起こったときの責任は学校にあります。そのため学校は子ども1人1人の健康状態を把握し、適切な対応をしていかなくてはならないのです。そしてその責任は当然ながら教師にもあります。学級で健康観察が行われるということは、イコール(=)教師として子どもの健康状態を把握して当たり前ということです。健康観察をしているにも関わらず、体調が悪い・怪我をしているなんて「知らなかった」では済まされません。子どもの様子は常に把握しておくのが理想ですが、少なくとも1日の始まりである朝はより子どもの心身の状態に意識を向け、その把握に努めることが大切です。

 

※健康観察で気を付けてほしいことをこちらで紹介しています。

 

 

 

勉強・活動モードへの切り替え

登校したばかりの子どもたちは、頭の中がボーッとしています。その状態でいきなり勉強にとりかからせてもなかなか身が入りません。そこで朝の時間に子どもの頭の中を勉強モード・活動モードに切り替えていくことが大切になります。

効果的な取り組みとして有名な例が朝読書です。朝の時間に読書に取り組む学校が増えていますが、なぜこれほどまでに積極的に行われているかというと、朝読書が勉強の準備運動に最適だからです。ご存知の方も多いとは思いますが、朝読書には集中力を高めたり心を落ち着かせたりする効果があります。教室がシーンとした中、全員が本に向き合っている状態を作り出すことで学習に向き合う空気を自然と生み出すことも出来ます。特別な指導技術も必要無いので、どの学校でもどの先生でも手軽に取り入れられる取り組みですよね。

朝読書が簡単だからといって必ずやらなければならないわけではありません。歌でも運動でもドリルでも大丈夫です。子どもたちが集中できて、爽やかに1日のスタートを切れる活動を取り入れてみてください。授業前に活動を行いワンクッション置くことで、学習する際の集中力が変わってきます。

 

 

1日の見通しや目標を持たせる

朝の会には、もう1つ重要なねらいとして1日の見通しや目標を持たせることがあります。

子どもたちは、「今日1日学校では何をするんだろう?」という疑問を持っています。それは学校での1日に関心があり学びを得ようとしている証拠です。子どもの中にはもちろん疑問を持っていない子もいますが、それはあまり良いことではありません。単に提示された時間割を淡々とこなすだけでは学校での学びが吸収されにくくなってしまうからです。毎日の学校生活を意味あるものにさせていくには、子ども自身がめあてを持って生活していくことが大切です。

そのためには、朝の会で予定を説明したり今日1日をどのように過ごして欲しいかという想いを伝えたりすることが重要となってきます。そうすることで子どもは見通しや目標を持って1日をスタートすることが出来るのです。

 

 

 

帰りの会(帰りのHR)のねらい

 

1日の振り返りをする

帰りの会や帰りのHRは、朝とは反対に1日の終わりとして機能しています。この時間にその日の学校生活を子ども自身に振り返らせることによって、より主体的に学校生活に関わろうとする態度が身についていきます。振り返りをする際は朝の会で立てためあてをもとに、目標を達成できたかどうか考えさせるのが効果的です。そうすることによって朝の会から帰りの会までが1つの流れとして繋がってきます。

また、子どもだけでなく教師からも学級全体への評価があると良いです。朝の会で教師が「今日1日をどのように過ごして欲しいか」について伝えておくと、子どもたちはきっとその内容に関する目標を立てるはずです。そこで教師が全体を見て評価してやることで、子どもたちは自分たちの様子を客観的に捉えることが出来ます。

 

 

明日への意欲を持たせる

帰りの会のねらいとして振り返りと同じくらい、もしくはそれ以上に重要となってくるのが明日の学校生活への意欲を持たせることです。子どもの頑張りを褒める・授業の内容をちらっと予告する・簡単なゲームを提案するなど子どもが笑顔になれそうなことなら何でも構いません。「明日も頑張って学校に来たい」と思えるようにしてあげることが大切です。

最近は不登校の子どもが増えていますが、教師との関わりは子どもの登校意欲に少なからず影響を及ぼしています。不登校の要因は様々なので全て担任の責任ということはあり得ませんが、担任と合わないからという理由で学校に来なくなる子が生まれることはなるべく避けたいものです。教師である以上、「分かりやすい授業で力をつけてあげたい」「全員が自分の力を最大限発揮できる学級にしたい」など色々な理想があるかもしれませんし、その理想に遠く及ばない現実にがっかりすることだってあるかもしれません。しかし、学校に来なければ子どもたちは何の学びも感動も得ることは無いのです。なので、何よりもまず重要なのは学校に来てもらうことです。そのためにも、帰りの会ではなるべくマイナスイメージを残すことなく子どもたちが明るい気持ちで帰れるよう工夫することが重要です。